外構工事の豆知識

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エクステリア工事の完成時・完成後の注意点

こんにちは。1級エクステリアプランナーの井出です。

新生活スタートの季節になってきました。ご家族の進学や就職、転勤などで、4月から家族構成が変わるご予定の方もいらっしゃると思います。
この時季になると、駐車場を広くしたい、もしくは使わなくなったので家庭菜園スペースを作りたい、なんていうご相談が増えますね。

 

さて、全6回でお送りしている【エクステリアのご検討段階から工事完成後の注意点】シリーズ。
今回は【エクステリア工事の完成時・完成後の注意点】。最終回となります。

前回は、工事中における注意点についてお話しさせていただきました。まずは簡単におさらいしたいと思います。

 

  • 工事中も可能な限り、工程に応じて業者と確認を行う

工事中に限らずですが、疑問点や確認は都度こまめに連絡を取り、曖昧なまま進まないようにすることが大切です。
関係が良好な業者であっても、思いがけない認識の違いから思わぬトラブルに発展してしまうことがあります。
「契約したからあとはすべてお任せ」にしてしまわないよう、特にこだわりたい箇所の工事の時には立ち会うことをおすすめしました。

 

今回は、完成時・完成後の注意点についてお話ししたいと思います。

エクステリア工事の完成時には必ず完工立会いを

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現地にお住まいになりながらのエクステリア工事であれば進捗や完成したかどうかの状況確認を日々行うことができます。

しかし、ご入居前の工事であったり、現在のお住まいとは異なる場所での工事となった場合には、工事の完成連絡を待つか、こちらから確認の連絡を業者に入れて、「工事完了」つまり完工を知ることとなります。

その際に必ず行っていただきたいのが完工立会いです。完工立会いの目的は、最終確認です。

完工立会いで確認していただきたい点は、図面通りに施工がされていて、抜け・漏れや商品・色の違いはないかなどの確認。ひとつひとつの箇所を業者と一緒にじっくり確認して回りましょう。

前回でお話したように、都度確認をして業者とイメージの共有ができた中での完工後の最終確認であれば、そこで大きな問題は生まれにくいとは思います。しかし、毎日忙しくて工事の進捗確認も頻繁にできないまま完成を迎えてしまうこともあると思いますので、必ず完工立会いを行うことをおすすめします。

 

エクステリア工事の完工立会いのベストタイミング

では、どのタイミングで完工立会いを行うのがベストかというと、それは【完全撤収前】です。

その理由は、まだ現場に職人さんがいたり、機材などを撤収する前であれば、気になる箇所の相談・手直しをその場で行うことができる場合があるからです。
もしその日に道具がなくて手直し対応ができなくても、後日の対応日について具体的に打ち合わせすることもできます。

完工時のトラブルについてご相談いただく内容で多いのは、業者が撤収したあとに現地を見たら不具合箇所が見つかり、業者へ話してもなかなか手直しに来てもらえないというお話です。
詳しく聞いてみると、完工時の確認は業者と一緒に行わず、たまたま完成後3ヶ月経った頃に不具合を見つけたという状況でした。

このように完成後時間が経てば経つほど、不具合の度合いによっては業者の対応は遅れがちになります。
他の工事で職人がなかなか動けない、今の時期は補修に適していないので、もう少し時期を待ってからにしてほしいなどの理由が挙げられます。
もし完工時であればそのまま手直しできたものが、時間が経つと数ヶ月先にならないと対応してもらえないという事態になることもあるというわけですね。

 

完工間近もしくは完工日にお立会いができない場合でも、できれば1週間以内で完工立会いを行っていただきたいと思います。

また、最終金額お支払い前に完工立会いを行うことで、手直し箇所があれば手直し完了後のお支払いというお話をすることもできます。業者のほうもお支払いを先延ばしにしたくはないため、なるべく早い対応をしてくれるはずです。

エクステリア完成後の注意点について

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完工時に特に問題がなくても、経過とともに不具合が出てきたりすることがあります。
特にエクステリアは天候などの外部環境に影響を受けるので、雨風や天災による不具合などが起きやすいものでもあります。

では、完成して数ヶ月後、数年後に不具合が起きた場合どのように対応するのがよいのでしょうか。

基本は施工した業者へ不具合に対する処置をお願いすることが望ましく、他社では無償の補修も有償となってしまいますので、ご注意ください。

 

補償については補償内容を確認し書面にて補償書を受け取る

弊社では、完成後の不具合に対しても多くのご相談をいただきます。

補償期間について、内容が不明確、無償でやってくれるものだと思ったら有償と言われた…など、完成後の不具合は工事代金を支払った後の対応となるため、誠実に向き合ってもらえない、いつまで経っても対応してくれないというトラブルにつながることも。

そうならないよう、業者とは事前に判断基準の共有を行い、書面でもらって保管するようにしましょう。

記載してもらうべき内容としては、以下の項目。

  • 補償期間
  • 金物工事(カーポート、テラス、ウッドデッキ、フェンスなど)
  • 左官工事(コンクリート、壁の塗装、ブロック、レンガ、石貼り、タイル貼りなど)
  • 電気工事(インターホン・照明)
  • 植栽工事(植木、芝生)

補償書で具体的に記載してもらうべき内容

エクステリアで不具合が出やすい箇所については、さらに具体的な記載を求めるようにしましょう。
特に多く聞く不具合箇所は、以下の4箇所です。

 

1.コンクリートのクラック(ひび割れ)

クラックは職人の施工レベルによる問題というよりも、気温などの環境面から起こってしまうことも多くあります。

その補修としては、表面上のクラックであればそのままで良しとするか、見た目だけ何とかしてもらいたいと薄く上塗りをかけるなどの方法となります。

表面だけでなく奥まで深くクラックが発生してしまい、品質として問題がある場合は一度撤去しての再施工を行うなど、どのケースの場合どこまで対応してもらえるのかを確認をしておくことが大切です。

 

2.壁の塗装の汚れ、膨らみ

ブロックを積んだ表面に塗装を行った場合、経年による汚れや水垢が付着することがあります。
雨風にさらされる場所のため、何年経ってもまったく汚れないということは考えにくく、ある程度の汚れはご理解ください。

高圧洗浄機などをお持ちでしたらご自身で行っていただいてもいいですが、業者のほうで汚れに対する補償があるのかも確認をしておきましょう。

また、塗装面に膨らみが発生してしまうことがあります。
これは下地のブロックと塗装との間に水分が入って起こる現象です。
この場合はご自身での補修は難しいため、補償の確認をしておきましょう。

 

3.植栽の枯れ補償

植えた植物に関して、一般的に1年間の枯れ補償を付けられることがあります。

しかし、補償を付けたとしても適正なお手入れ(剪定や水やりなど)が行われていたのに枯れてしまったと判断された場合が対象となるため、枯れないような正しいお手入れ方法も事前に確認をしておきましょうね。

 

4.天災に対する補償

地震や台風などの天災によって起きた不具合は補償対象外になることが大半で、有償補修となることが一般的です。
最近は台風や豪雨で大きな被害が出ることもあるため、天災時の補償内容も事前にしっかりご確認をお願いします。

 

 

6回にわたり、エクステリアのご検討段階から工事完成後の注意点までをお話ししてきました。

総じて言えることは、時間にゆとりを持って業者と入念にお話をされること、不明な点は確認を行い、曖昧なままお願いしないことが共通している重要ポイントです。

一生に一度くらいの大きなお買い物であるため、後悔だけはしていただきたくないというのが私のいちばんの願いです。
「家にいる時間や、帰宅するのが楽しくなった!」と思ってもらえるようなエクステリア工事をぜひ実現していただきたいです。

 

次回からは、工事項目ごとの「失敗しない商品の選び方や計画」についてお話をしていきます。

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※申し込み後に外構業者からの営業電話はございませんので、ご安心ください。

井出貴士

1級エクステリアプランナー エクステリア販工店として10年間勤務し、多くの大手ハウスメーカーの下請けとしての実績も豊富! エクステリアの知識はもちろんのこと、ハウスメーカーの特色を熟知している観点から、エクステリア工事における注意点や、プランニングや価格の妥当性など、エクステリア全般のアドバイザーとしても活躍。 現在はCS推進部として、工事中のお客様の悩みや問題に対するサポートを行い、トラブル解決に向けたアドバイスも行っています。

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