投稿加納

お客様から契約をされた後のトラブルに対するご相談をいただくことが多く、今回お話させていただくのは契約をした後工事が始まってなかなか工事が終わらないという方から頂いたご相談についてです。

お客様より「いつまでたっても工事が終わらないんです」という相談をいただきました。
内容を聞いてみると工事着工して1ヶ月以上経つがまだ一向に工事が終わらない。
現場にも1日工事会社がいることがなく、半日しかいない日や週に2日ぐらいしか来ないときもある。
たまにしか来ないからいつまでたっても終わらないんじゃないのということで少しご不安になられてご相談をいただくことがありました。

工事完工の遅延におけるトラブルとしては、こういった相談というのは多く、まずはお客様より詳しく状況を伺い、その上で工事会社にも状況確認を行うことで、ご契約から工事中に至るまでの間にどのような問題があったのか確認を取らせてもらっています。

契約書から見える問題点

まずは契約書を基に確認を行っていきますが、そこで見えてくる問題点がいくつかあります。

  1. 工事会社より、工事の日程については只今調整中なので工期を記載せずに契約書を交わしてしまったケース
  2. 契約書に工事が遅れた場合に対する覚書など瑕疵に対する記載がない。工事中のトラブルに対する対応方法など細かな記載がない

また、工事進捗中の双方の思い、考えなどについての認識の違いによる問題です。

  1. お客様も工事会社に任せられていて特に日々の動きや完成日を気にしていなかったというケース
  2. 工事会社もお客様がいつまでに終わってほしいという希望がなかったために工事会社のペースで工事を進めてしまったというケース

これらをふまえてお客様からいただくご要望は、以下のようなものがあります。

  1. 時間がかかっている理由を説明してほしい
  2. 毎日入らなかった理由はなぜなのか
  3. 今後について、いつまでに終わってほしい
  4. 残りの工事の工程表を作ってほしい
  5. 工事の進捗の連絡を工事会社からするようにしてほしい
  6. 遅れたので金額を値引きしてほしい

お客様からお話を受けた場合に、工事会社側ご要望を伝えます。
工事会社から得られた回答は以下のようなものです。

  1. 時間がかかったのは雨の影響だったり入ってくる材料の遅れという説明
  2. 毎日入らない理由に関しては、他の現場も進めているから段取り上入らない日もあるという説明
  3. いつまでに終わってほしいとお客様が言われた場合、天気による遅れもあるからいつまでに終わるという約束はできない
  4. 残りの工事の工程表は、工事の流れで変わることもあるから工程表通りという保証はできない、もし工程表通りじゃないことを後に言われた場合も、それは保証できないからそこを言われてしまうと困ってしまう
  5. 工事進捗の連絡は、状況で連絡を入れるようにしますが、お客様が求めているタイミングと工事会社の状況というのは異なるケースもあるので、ここも認識のズレが起きやすい
  6. 遅れた分の値引きは、契約前も値引きをしているケースもあり、工事中にサービス工事もしているのでこれ以上の値引きはできないという話

お話を受けてもお客様の言い分と工事会社の言い分にすれ違いが起きてしまうということはあります。

そう言った問題点が起きないように事前にお互い話をした上で工事を進めるということが非常に大切です。
また、事前に確認しておくべきことや、お客様から伝達すべきことも何点かあります。

契約書に工期の記載を

契約時に工事の着工日がわからなかった場合でも、わかった時点で契約書に工期の記載をお願いすることも大切です。
記載の際は、お客様同席ですることが契約行為ということになります。
正式な工期を入れた契約書の控えをもらうことも忘れずにしてください。
これによって工期の認識を共有するということができることになります。

覚書や、契約書の記載内容の確認

あとは覚書や、契約書の記載内容の確認です。
契約工期の遅延の場合はどういう対応になりますかということを工事会社にもしっかり確認をして、
工事が遅れた場合、遅延時のトラブル防止にもつなげてください。

また、何日ぐらいかかる工事かというのを工事が始まる前に工事会社に確認をしておくことをおすすめします。
工事日数を把握した上で、いつから始めてほしいというよりも、いつまでに終わらせてほしいと
いう要望を伝えることも大切になります。

完成希望日を工事会社とともに確認を取っておけば、お客様自身もたまに現場に入っていない日があってもいつまでに終わらせてくれるという約束をしてるから大丈夫だろうという安心感にもつながります。

進捗の連絡を事前に決めておく

工事中の連絡などについてですが、遅れる場合は連絡をもらうようにお願いしておくことも大切です。
どのように現場が進んでいるかというのも不安になるでしょうし、ここまで来たのであと何日で終わりますよと途中連絡をもらうだけでも、お客様自身安心できると思います。
連絡が無いとしても現地を見に行って進捗が気になるようでしたら、直接工事会社に連絡をして今の状況どうですかということを聞いてもいいかと思います。

進捗に対するお客様と工事会社との共通認識を適時に行うこと、ここを大切にしていただければと思います。

このあたりを事前に確認しておけば、工事進捗が気になったり不安になることもなく、万が一そういったトラブルが起きた場合にも、事前に確認したことに沿ってお話を進めれば双方でスムーズに進めることができます。
契約時や事前の確認をいかに取っておくかがこういったトラブルにならないためのポイントになりますので、参考にしてみてください。

契約書の工期について

岡本さん

はい、分かりました。
質問ですが、契約書に工期についての開始、終了の日にちを書く欄というのは必ずあると思うのですが、ここを空欄にしておくというのは、法律的なところでは問題はないのですか?

投稿加納

双方が承認している上での空欄であれば、法律上というところでは問題ありませんが、トラブルが起きてしまって第三者に判断を仰ぐとなった場合、空欄では解決の糸口にはなりません。

契約時に日程がわからなかった場合に仮の日程を入れておくというのも大事です。
あくまでも仮で、例えば実際工事としては2,3週間で済むものを契約書の工期として2ヶ月取っていたとしたら、お客様としてはいつから始まっていつ終わるのかというのがわからなくなってしまいます。

正式に決まったときに再度記載をし直すということが、より具体的な日にちを元に何かトラブルが合った場合お話ができる材料になりますので、日程が分かった際に書き直すということが大切になります。

具体的な工期が決まったら再度記載する

岡本さん

書き直す場合はサインもし直すということになるんですよね。

投稿加納

工期の日付のところを2本線を引いて、訂正印の形で書き直す形でも大丈夫です。

もう一度契約書を一から作り直すのも大変ですし、作り直すということで工事会社も手間を感じ、対応せずにそのまま進めてしまうこともあります。
契約の流れとして正式日が確定して追記したということが把握できるものになりますので、書き足す形で結構です。

契約書に限らず施工工事会社さんと密な連絡を取り合うこともトラブルを防ぐ大切なポイントです。